アブストラクト(44巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Superior septal approachによる僧帽弁手術の手術成績と術後洞機能の検討
Subtitle :
Authors : 申範圭, 東茂樹, 井関治和, 二宮英樹, 木戸正訓, 前原正明*
Authors(kana) :
Organization : 静岡赤十字病院心臓血管外科, *川崎市立川崎病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 2
Page : 111-114
Year/Month : 1996 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 良好な僧帽弁の視野を保証するが, 同時に洞結節動脈の離断と比較的広範囲の心房切開を要するsuperior septal approach(SSA)の手術成績並びに洞機能と心房受攻性に及ぼす影響につき検討した. 17例にSSAを用い, 入院死亡はなく, SSAに起因する合併症もなかった. 術前より洞調律であった9例のうち5例に, 術後早期に心房細動あるいは接合部調律を認めたが, 最終的には洞調律に復した. 9例とも術後に電気生理検査(EPS)を行った. 薬物的自律神経遮断下での洞房伝導時間(SACT), 頻拍刺激後の洞結節回復時間(SNRT), 補正洞結節回復時間(CSNRT)は, 各々, 73±35, 1,142±168, 365±122msecで, 洞機能は正常に保たれていた. また, 心房受攻性の亢進も認めなかった. 術前にもEPSを施行できた5例で, 術前後のSACT, SNRT, CSNRTを比較したが有意差は認めなかった. 術後平均9カ月後に行ったBruce stage 1のトレッドミルテストに対し心拍数は85±11/minから122±13/minと良好な反応を示した. 術後10~38カ月(平均25カ月)において全例で洞調律が維持されている. SSAの洞機能及び心房受攻性に及ぼす影響は許容範囲にあると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : superior septal approach, 僧帽弁手術, 洞機能, 電気生理検査
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