アブストラクト(44巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 高度右室低形成, 右室冠状動脈交通を有する純型肺動脈閉鎖症に対する三尖弁閉鎖術の有用性
Subtitle :
Authors : 白神幸太郎, 山崎和裕, 河内和宏, 今井克彦, 河野智, 小宮達彦, 神崎義雄
Authors(kana) :
Organization : 倉敷中央病院心臓病センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 2
Page : 115-122
Year/Month : 1996 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 高度右室低形成, 右室冠状動脈交通を有する純型肺動脈閉鎖症の4症例に対し, 三尖弁閉鎖術を施行した. 3症例はFontan手術の先行手術として, 1症例はFontan手術と同時に施行し, 全例生存した. 姑息手術として施行した3症例のうち2症例についてはFontan手術を施行し良好な経過をとった. 1症例については三尖弁閉鎖術後早期には心筋虚血の改善を認めたが, 遠隔期より進行性の心筋虚血を生じ, 術後3年5カ月後に突然死で失った. これら4症例について三尖弁閉鎖術前後の左室機能を検討した結果, 左室駆出率, 左室拡張末期容積, 左室拡張末期圧でみる限り左室機能は温存され, 心電図上心筋虚血の改善を認めた. 術前よりびまん性の狭窄を冠状動脈に認める症例については本術式の限界と思われたが, 進行性の心筋虚血をある程度予防し, 左室機能を温存できる点でFontan手術の準備手術として有用であると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 純型肺動脈閉鎖, 低形成右室, 右室冠状動脈交通, 三尖弁閉鎖術, Fontan手術
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