アブストラクト(44巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 自然気胸に対する腋窩開胸下手術と胸腔鏡下手術の比較検討
Subtitle :
Authors : 松添大助, 白日高歩, 川原克信, 岩崎昭憲, 林和恵, 岡林寛, 白石武史, 吉永康照, 久米徹
Authors(kana) :
Organization : 福岡大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 2
Page : 144-148
Year/Month : 1996 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 当教室で手術を施行した自然気胸症例のうち, 両側気胸を除いて, 60歳未満で腋窩開胸を行った症例(以下, 開胸群)204例と, 胸腔鏡下手術を行った症例(以下, 胸腔鏡群)80例を比較検討して, 胸腔鏡下手術の利点, 問題点を検討した. 手術時間, 術中出血量については, 開胸群111.3分, 65.6g, 胸腔鏡群73.2分, 5.4gで, いずれも胸腔鏡群が有意に低かった. 術後ドレナージ期間は, 開胸群2.7日, 胸腔鏡群2.1日で差は認められなかったが, 術後在院日数は, 開胸群12.5日に対して胸腔鏡群8.0日で胸腔鏡群が有意に短かった. 術後の疼痛は硬膜外麻酔による管理を主に行っているが, 更に鎮痛剤の投与を必要とした症例が, 開胸群82.3%に対して胸腔鏡群58.9%で, 胸腔鏡群が有意に少なかった. 再発率は開胸群6例(2.9%), 胸腔鏡群4例(5.0%)で胸腔鏡群に高い傾向にあり, その原因はブラの見落としによるものと考えられた. 当教室では治療効果の向上のため, 電子気管支鏡を用いた胸腔内観察の補助や, 気腫性変化を来している症例に対するレーザー焼灼術の併用などを行っている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 自然気胸, 胸腔鏡下手術, 胸腔鏡下ブラ切除
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