アブストラクト(44巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 逆行性脳灌流と脳分離体外循環における術中脳波所見の比較を中心とした臨床的検討
Subtitle :
Authors : 須藤義夫**, 高原善治**, 本間甲一*, 村山博和, 中川康次, 瀬崎登志彰, 中村常太郎
Authors(kana) :
Organization : 千葉県立心肺センター鶴舞病院心臓血管外科, *千葉県立心肺センター鶴舞病院神経内科, **船橋市立医療センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 2
Page : 175-181
Year/Month : 1996 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1991年5月から1992年7月の間に逆行性脳灌流法を用いて弓部置換術を行った6例と, 1993年5月から1994年2月までに脳分離体外循環法(順行性選択的脳灌流法)を用いて弓部置換術を行った5例につき術中脳波所見を中心に比較検討した. 逆行性脳灌流群の1例で一過性の右上肢不全麻痺が見られた他は脳障害の見られた症例はなく, 両群とも手術死亡, 病院死亡はなかった. 術中脳波は, 両群とも逆行性脳灌流又は脳分離体外循環中は平坦となったが, 脳分離体外循環群の方は通常の体外循環に戻り体温が上昇すると共に全例脳波の振幅も回復し, 体外循環前の振幅を1とすると30℃で平均0.70, 35℃で平均0.90となったが, 逆行性脳灌流群では体外循環中に振幅の測定可能な脳波が出現したのは1例のみで他の症例では遅れて脳波が回復した. このことから逆行性脳灌流法の脳保護効果は脳分離体外循環に比し不十分と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 脳波モニター, 弓部大動脈置換術, 逆行性脳灌流法, 脳分離体外循環法, 順行性脳灌流法
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