Abstract : |
冠血行再建術後, バイパスグラフトの開存を確かめた30症例(280領域)に対し, 心筋梗塞領域及び冠状動脈狭窄後非梗塞領域について, 13NH3心筋ポジトロンCTを用いて安静時と運動負荷時の局所心筋血流量を術前術後で測定し, 冠血行再建術の有効性を検討した. 冠状動脈狭窄後非梗塞領域群(n=198)は, 平均±標準偏差で, 術前安静時65±15ml/min/100g, 運動負荷時85±23ml/min/100g, 血行再建術後は安静時が78±21ml/min/100g, 運動負荷時が105±32ml/min/100g, 心筋梗塞領域群(n=82)は, 術前安静時が51±23ml/min/100g, 運動負荷時が69±23ml/min/100gで, 術後の安静時が62±19ml/min/100g, 運動負荷時が84±29ml/min/10gと増加した. 狭窄後非梗塞領域と, 心筋梗塞領域のいずれも再建後の安静時と, 運動負荷時に有意に増加した. 更に, 梗塞領域の術前安静時局所心筋血流量が45ml/min/100g以上の群(n=35), 45ml/min/100g未満の群(n=30), 更にこのうちで, 30ml/min/100g未満の群(n=9)に分けると, 30ml/min/100g以上の群で再建後の局所心筋血流量の増加がみられ, 心筋viabilityの存在を示唆した. |