アブストラクト(44巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 高齢者(70歳以上)心房中隔欠損症の3手術例
Subtitle : 症例
Authors : 長谷川豊, 石川進, 大滝章男, 小谷野哲也, 村上淳, 森下靖雄
Authors(kana) :
Organization : 群馬大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 4
Page : 559-564
Year/Month : 1996 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 70歳以上の心房中隔欠損症(ASD)を3例経験した. 術前のNew York Heart Association(NYHA)機能分類はII°~III°で, 全例心房細動, 三尖弁閉鎖不全を合併していた. 肺動脈収縮期圧は42~56mmHgと肺高血圧は中等度であった割に肺対体血管抵抗比は0.04~0.26と高くない症例もみられた. 心胸郭比は60~77%であった. 手術は全例でASDの直接縫合閉鎖を行い, 2例に三尖弁輪縫縮を併施した. 術後は2例で長期のカテコラミン投与を, 1例で9日間の呼吸補助を要したが, 全例軽快退院した. 高齢者ではカテコラミンの長期投与, 長期にわたる呼吸管理など術後の循環・呼吸管理には注意を要するが, 術後は症状の改善が得られており, 特別な場合でない限り70歳以上でも積極的な手術が望まれる. 心房中隔欠損症(ASD)の多くは学童~青年期までに発見・治療されるが, 壮年期まで無症状で経過し, 老年期になって発見される症例もしばしばみられる1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心房中隔欠損症, 高齢者(70歳以上), 外科手術
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