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低温虚血及び常温再灌流後の心筋障害に対するCoenzyme Q10 (CoQ10)添加低温心筋保護液の効果をラット摘出灌流心を用いて検討した. 方法:Wistar ratの心臓をmodified KHBB液でworking灌流し, 虚血前心機能(大動脈流量, 冠灌流量, 心拍数)を測定した. CoQ10添加St.Thomas液(20℃)の注入後, 低温虚血(20℃, 180分間)と常温再灌流(37℃, 15分間)を行った. 虚血後のLangendorff再灌流(15分間)中に逸脱酵素漏出量を測定し, working再灌流(20分間)中に心機能を測定した. 結果:CoQ10濃度が12と58μmol/Lのとき不可逆性の心室細動が生じ, 発生頻度はそれぞれ4/6, 3/6であった. 不可逆性の心室細動が生じなかった心臓の大動脈流量回復率は, CoQ10濃度が0, 1, 3, 6, 12, 58μmol/Lのときそれぞれ43.3±5.4, 31.6±7.7, 38.0±12.0, 27.2±6.9, 31.3, 30.4±14.2%(それぞれn=9, 6, 6, 6, 2, 3, n=3以上でSEMを算出)であった. 再灌流15分間のcreatine kinase (CK)漏出量はCoQ10濃度の増量に伴って増大傾向を示した. 結論:CoQ10添加低温心筋保護液は低温虚血後の再灌流中において催不整脈性を示し, 心機能や逸脱酵素漏出量に対する明らかな保護効果は認められなかった. |
