Authors : |
西元寺秀明, 豊平均, 下川新二, 森山由紀則, 渡辺俊一, 山下拓哉, 山岡章浩, 湯田敏行, 戸田理一郎, 平明 |
Abstract : |
1975年4月より1980年12月までに手術した80例のブタ異種生体弁の成績を検討した. 年齢は平均37.4歳(16~60歳), 男女比は48対32で, 大動脈弁, 僧帽弁, 連合弁疾患が各9, 49, 22例であった. 手術は大動脈弁置換(AVR), 僧帽弁置換(MVR), 二弁置換(DVR)が各10, 63, 7例で, 使用弁はHancock弁27個(AVR 3, MVR 24), Carpentier-Edwards弁61個(AVR 14, MVR 46, TVR 1)であった. 遠隔追跡率93.7%, 追跡期間は平均9.3年(0.2~19.2年), 累積期間747.2患者・年(PY)であった. 遠隔死亡は25例(3.3%/PY)で弁関連死が14例と最も多かった. 術後10年, 15年の累積生存率は各67%, 49%で, 弁関連死の非発生率(EFR)は10年, 15年で各79.2%, 76.4%であった. Structural valve deterioration (SVD)は52例(7.0%/PY), 10年, 15年でのEFRは各47.1%, 12.4%であった. SVDは術後6年以降に多くみられ, 弁種, 弁位, 手術時年齢でEFRに差はなかった. 血栓塞栓症, 抗凝固関連出血, 感染, Non-structural valve dysfunctionの発生は各0.7%/PY, 0.1%/PY, 0.3%/PY, 0.1%/PYで, 15年のEFRは各91.3%, 98.1%, 95.6%, 80.0%であった. 再手術は55例(7.4%/PY)に行い, 8例が死亡した. EFRは10年, 15年で各48.2%, 6.5%であった. ブタ異種生体弁は術後5年までは良好な成績で, 6年以降にSVDが高率に発生し, 耐久性に問題があった. |