アブストラクト(44巻5号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ステント挿入による左冠状動脈破裂の1治験例
Subtitle :
Authors : 王志明, 福田幸人, 木川幾太郎, 鰐渕康彦
Authors(kana) :
Organization : 三井記念病院循環器センター外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 5
Page : 659-663
Year/Month : 1996 / 5
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は74歳, 女性. 動悸を主訴に内科入院. 冠状動脈造影上, 左冠状動脈に狭窄を認め, バルーンによる経皮的冠状動脈形成術(PTCA)を施行したが, 狭心症再発し, 再びバルーンによるPTCA, 方向性冠状動脈粥腫切除術(DCA)を施行した. この時冠解離を来したため, ステントを挿入し, バルーンによる後拡張を施行したところ造影剤の血管外漏出を認め, 冠状動脈破裂と診断した. その後心タンポナーデとなったため, 緊急に止血術及び冠状動脈バイパス術を施行し救命した. 冠状動脈の破裂原因として, ステント挿入後の後拡張に引き続いて, ステントの遠位端から造影剤の漏出が起きていることより, ステント末端部の脆弱な部位の破裂と診断した. ステント挿入術における合併症として, 冠状動脈破裂の報告はなく, 第1例目の報告と考える. 最近, 冠状動脈狭窄症に対し, ステント, 経管吸引カテーテル(TEC), 方向性冠状動脈粥腫切除術(DCA)等の新しいデバイスを用いての冠状動脈形成術が積極的に行われるようになり, それぞれに良好な結果が報告されている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠状動脈破裂, Palmaz-Schatz stent, 緊急冠状動脈バイパス術, 心タンポナーデ, ステント合併症
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