アブストラクト(44巻5号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 緊急手術を行った右心肺動脈血栓塞栓症の1例
Subtitle :
Authors : 浅岡峰雄, 佐々木通雄, 増本弘, 梶山真, 関章
Authors(kana) :
Organization : 市立岡崎病院心臓血管呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 5
Page : 673-677
Year/Month : 1996 / 5
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は44歳, 男性. 身長170cm, 体重108kgの著しい肥満者で糖尿病の既往がある. 1995年1月12日, 心筋梗塞のために他院に入院し治療を受けていた. 同21日未明, 突然徐脈, 血圧低下, 意識レベルの低下を見たため応急処置を受けながら当院へ転送された. 肺塞栓症の診断で直ちに血栓溶解剤が投与され若干の血行動態改善が得られたが右房内に腫瘤様陰影が認められ, 継続する塞栓が危惧されたため同日緊急に手術を行った. 手術では右房から右室を経て両側肺動脈に連なる赤色血栓を確認でき, 容易に摘出できた. 更に肺のミルキングを行って少量の血栓を得た. 術後の経過は良好であった. 肺塞栓症の発生は今日ではさほどまれではない. 食生活の欧米化, 診断法の進歩に加え, 血管内カテーテル留置頻度の飛躍的増大もその一因と思われる. 血栓溶解剤を中心とした治療と血栓除去手術の選択には未だ議論の多いところである1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺塞栓症, 心内血栓症, 緊急手術
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