アブストラクト(44巻5号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肋間動脈肺静脈交通症の1例
Subtitle :
Authors : 尾浦正二, 櫻井武雄, 吉村吾郎
Authors(kana) :
Organization : 和歌山県立医科大学附属紀北分院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 5
Page : 691-696
Year/Month : 1996 / 5
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は55歳, 男性. 繰り返す喀血と胸部異常陰影を主訴とし, 精査の結果炎症を病因とした肋間動脈肺静脈交通症と判明した. 手術にて交通血管の処理と輸入血管である肋間動脈の処理を行ったが, 術後5カ月目に再度喀血を来し, 血管造影の結果肋間動脈肺静脈交通症の再発を認めた. 再手術では, 上葉切除を行い, 再手術後3カ月経過した現在, 問題なく経過している. 心疾患に伴わない体循環と肺循環の交通症は極めてまれでこれまでに自験例を含め38例の報告が見られるのみである. 正常成人において体循環と肺循環の生理的交通は, 気管支動脈と肺静脈との間にみられるのみである. 非生理的交通を認める病態のうち, 胎生期循環の残存による動脈管開存症, 胎生期異常の1つである肺分画症及び先天性心疾患に伴う体動脈肺動脈側副血行路は決してまれな疾患ではない. しかしながら, 上記の病態以外での体循環と肺循環の交通は, その成因の如何をとわず極めてまれである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肋間動脈, 体循環肺循環交通症, 肋間動脈肺静脈交通症, 喀血
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