アブストラクト(44巻5号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左冠状動脈起始異常を合併した冠状動脈硬化症に対する冠状動脈バイパス術の1手術例
Subtitle :
Authors : 岡田健志, 末田泰二郎, 三井法真, 四方裕夫, 渡橋和政, 松浦雄一郎
Authors(kana) :
Organization : 広島大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 5
Page : 702-704
Year/Month : 1996 / 5
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 患者は労作時胸部不快感を主訴とする73歳, 女性. 冠状動脈造影では, 右バルサルバ洞から起始した右冠状動脈は優位で左後下壁まで分布していた. 左冠状動脈は右バルサルバ洞から右冠状動脈とは別に起始し, 右室流出路前面を通過していた. 右冠状動脈#1 90%, 左前下行枝#7 99%, 左回旋枝#11 99%の狭窄を認めた. 胸部CT検査では左バルサルバ洞より起始する冠状動脈は認められず, また経食道エコー検査では左バルサルバ洞に冠状動脈口は認められなかった. 以上より左冠状動脈起始異常を合併した冠状動脈硬化症と診断し, 冠状動脈バイパス術を施行した. 左冠状動脈起始異常の診断と手術に冠状動脈造影とCT, 経食道エコーが有用であった. 冠状動脈起始異常はまれな奇形であるが, 近年冠状動脈造影(CAG)の普及に伴い冠状動脈病変(CAD)を伴った症例1)が散見されるようになった. しかし本例に対する外科治療の報告は少ない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左冠状動脈起始異常症, 動脈硬化症, 冠状動脈バイパス術
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