アブストラクト（44巻5号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 無症候性大動脈弁乳頭状弾性線維腫の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | |
| Authors ： | 廣田潤, 秋山一也, 大加戸彰彦, 滝口信, 大澤暁, 橋本明彦 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | いわき市立総合磐城共立病院心臓血管外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 44 |
| Number ： | 5 |
| Page ： | 705-708 |
| Year/Month ： | 1996 / 5 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 乳頭状弾性線維腫は心内のいかなる部位からも発生し得る比較的まれな原発性心臓腫瘍である. 通常, 冠状動脈塞栓症や脳動脈塞栓症を契機に発見されるが, われわれは心房細動治療中に偶然心エコーで発見された大動脈弁乳頭状弾性線維腫の手術例を経験した. 症例は69歳, 女性. 4年前から心房細動及び高血圧の治療を受けているが塞栓症の発症はない. 心不全のための入院中に体表心エコーで偶然大動脈弁腫瘤を発見され, 紹介された. CT, MRI, 心血管造影などの画像診断では腫瘍の所見は得られなかった. 術中所見では, 大動脈弁無冠尖左心室側に, 直径15×10×10mmの無茎性で全体が微細な乳頭状組織で覆われる腫瘍を認め, 大動脈弁と共に摘除し21mmSJM弁にて大動脈弁置換術を行った. 摘出した腫瘍は病理組織学的に乳頭状弾性線維腫であった. 本症は断層心エコーが唯一の診断手段であった. 乳頭状弾性線維腫は, 心臓腫瘍中約10%の頻度を占め, 心臓弁膜腫瘍の代表的な腫瘍であると共に心腔内のいかなる部位からも発症しうる原発性心臓腫瘍である1)2). |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 乳頭状弾性線維腫, 心臓腫瘍, 大動脈弁腫瘍, 心エコー |
