アブストラクト(44巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術における心筋障害の指標としての血清human heart fatty acid-binding Proteinの検討-再灌流早期上昇の臨床的意義-
Subtitle :
Authors : 鈴木憲, 澤芳樹, 門場啓司, 谷口和博, 市川肇, 鍵崎康治, 大畑俊裕, 大軽靖彦*, 朝山久美子*, 松田暉
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *大日本製薬株式会社
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 6
Page : 760-764
Year/Month : 1996 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Human heart fatty acid-binding protein(以下HH-FABP)はヒト心筋細胞の細胞質内に特異的かつ多量に存在する低分子の可溶性蛋白であり, 心筋障害にて血中へ速やかに漏出することが報告されている. 今回開心術における心筋障害の指標としての血清HH-FABPの有用性を血清CK-MB及びTroponin-T (TnT)と比較検討した. 対象は成人冠状動脈バイパス手術症例10例である. 血清HH-FABPの大動脈遮断解除後最高値到達時間は全例で60分以内(49±7分)であり, 血清CK-MB (212±108分), TnT (244±150分)に比し有意に早かった. 血清HH-FABPはピーク後速やかに漸減低下を認めたが, 血清CK-MB, TnTではピークが遅くかつなだらかで, 二峰性を示す症例も認められた. また血清HH-FABP最高値は血清CK-MB, TnT両者の最高値と有意な相関関係を示し心筋障害の程度を反映する可能性が示唆された. 以上の結果より開心術における心筋障害の程度を再灌流早期に察知把握しうる指標として血清HH-FABPは有用であると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : HH-FABP, 開心術, 心筋障害, CK-MB, Troponin-T
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