Abstract : |
術後低体温管理を行ったFontan型手術症例にOxymetric Swan-Gantzカテーテルを挿入し心拍出量(CO), 混合静脈血酸素飽和度(SvO2), 時間尿量の術後急性期の変化について検討した. 対象はFontan型手術症例10例で, 術式は心房obligue partition, 右房-肺動脈直接吻合を中心とするmodified Fontan手術を9例に, total cavo-pulmonary connectionは1例に施行し全例を救命した. 測定項目はSvO2連続モニター, CO測定, 動脈血酸素分圧, 酸素飽和度, 尿量とし, 測定をA. 術直後Deep Sedation下, 直腸温33~35度低体温時, 調節呼吸下, B. 36~37度復温時, Mild Sedation, 調節呼吸下, C. 覚醒下, 自発呼吸時, D. 抜管直後, E. 抜管24時間後に行った. 低体温管理は体外循環からの離脱を30~31度で行い, その後状態に応じて自然復温した. SvO2の変化と臨床経過の検討ではSvO2 60%以上で経過した症例は術後経過は良好であったが, SvO2 55%以下で経過した2例は術後管理に難渋し, 1例は房室弁逆流に対し再手術を術後14日目に, またもう1例は術後1日目に肺静脈狭窄に対する再手術を施行しその後良好な経過を示した. COは調節呼吸時から自発呼吸管理, 抜管後と上昇を示し, 抜管直後には調節呼吸時と比較して有意な上昇を示した. 尿量は術直後低体温時には低心拍出量にかかわらず比較的多く, 復温と共に減少した. SvO2とCardiac Indexとの相関については術直後にはR=0.61と相関を示したが, 抜管後には有意な相関は示さなかった. CO連続モニターはFontan型手術後急性期, 酸素消費の安定した術直後には心拍出量の変化に相関するモニターであると考えられた. |