アブストラクト(44巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 川崎病患児に対する右胃大網動脈を用いた冠血行再建術の検討-早期・中期成績-
Subtitle :
Authors : 鳥井晋造, 竹内靖夫*
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学第二病院心臓血管外科, *関東逓信病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 7
Page : 945-949
Year/Month : 1996 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1988年以来, 川崎病患児においても内胸動脈グラフト(ITA)到達困難な冠状動脈病変に対して右胃大網動脈(GEA)を用いて冠血行再建術(CABG)を施行してきた. 115cm・21kgの6歳男子を最年少とした9例でGEAを使用したので, 早期・中期成績を検討した. 手術死亡はなく, GEA使用に起因する合併症もなかった. 主としてITAは前下行枝(LAD)に使用し, GEAは右冠状動脈(RCA)に7本, 回旋枝(LCx)に2本吻合した. 術後1カ月で9本中4本にやせ現象が認められたが, 1年後に閉塞したグラフトはなく, 4本中2本で改善が認められ, グラフト径・灌流域が増加していた. ITAと血流が拮抗した場合にやせ現象が改善しなかったこと, 病理所見でITAより内膜肥厚が進んでいたことなどから慎重な経過観察が必要であるが, GEAはITA使用困難な比較的末梢の冠状動脈に吻合していることを考慮すると, 動脈グラフトとしてのGEAの可能性は高いものと考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 川崎病, 冠血行再建術, 右胃大網動脈グラフト, 遠隔成績
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