アブストラクト(44巻7号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 胸骨転移を来した原発巣不明肝細胞癌の1例 |
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Authors : | 堀田圭一, 岡崎幸生, 原口彰*, 夏秋正文, 伊藤翼 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 佐賀医科大学胸部外科, *佐賀医科大学形成外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 44 |
Number : | 7 |
Page : | 959-964 |
Year/Month : | 1996 / 7 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は70歳男性. 疹痛を伴い, 急速に発育する前胸部腫瘤を主訴にて入院となった. 画像上並びに経皮的腫瘤生検では, 明らかな原発巣病変を確定できなかった. 原発巣不明であるが, 他部位に腫瘍病変を認めず, 前胸部痛を伴うため一塊とした腫瘍切除を施行した. 広範な胸壁欠損のため, Marlex meshと腹直筋皮弁で胸壁再建を行った. 術後の病理組織学的検索では肝細胞癌胸骨転移との診断が得られた. しかし, 術後検査でも肝臓に腫瘍原発巣を発見できず, 本症例は極めてまれな原発巣不明の肝細胞癌と考えられた. 現在術後経過9カ月経過しているが, いまだ原発巣不明で再発なく健在である. 近年, 肝細胞癌の生存率は以前に比較して向上している. しかし, 骨転移を来した肝細胞癌は進行期となり治療成績が不良とされている. 今回, 胸骨転移巣を切除した原発巣不明の肝細胞癌症例を経験した. 現在再発徴候なく9カ月以上生存しているので文献的考察を加えて報告する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 胸骨転移, 肝細胞癌, 胸壁再建, 腹直筋皮弁 |