アブストラクト(44巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 下壁梗塞を合併した急性大動脈解離-到着時死亡に対し緊急手術を行い救命し得た1例-
Subtitle :
Authors : 田山慶一郎, 明石英俊, 福永周司, 甲斐英三, 小須賀健一, 青柳成明
Authors(kana) :
Organization : 久留米大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 7
Page : 965-969
Year/Month : 1996 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は61歳, 女性. 突然の胸痛, 背部痛で発症し, 近医により急性心筋梗塞(下壁梗塞)及び急性I型大動脈解離と診断された. 直ちに当院救急救命センターに搬送されたが, 搬送中に心停止となり, 心肺蘇生を施行しつつの搬入となった. 搬入時到着時死亡(DOA)の状態であったが, 心マッサージ及び一時的ペースメーカーの挿入により蘇生に成功したことから直ちに緊急手術を行った. 解離は大動脈弁輪に及び, 右冠状動脈に分枝の断裂による内膜亀裂が存在した. 手術は上行及び近位弓部大動脈置換術及び冠状動脈バイパス術(CABG)1枝を行った. 術後は順調に経過し1カ月後に無事歩行退院となった. 近年, 急性I型大動脈解離に対する外科治療の成績は向上しつつあり, また, 緊急手術に至るまでの時間の短縮, ショック状態に対する全身管理も改善されてきたが, 手術に至る前に死亡してしまう症例は依然として多い. 今回, われわれは到着時死亡(DOA)と判断された症例に対し心肺蘇生を施し, 緊急手術を行い救命することができた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 急性I型大動脈解離, 急性心筋虚血, 冠状動脈再建, 術前状態
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