アブストラクト(44巻7号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 胸壁原発過誤腫の1例 |
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Subtitle : | |
Authors : | 可児久典, 山川洋右, 羽宏, 近藤薫, 桐山昌伸, 正岡昭 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 名古屋市立大学医学部第2外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 44 |
Number : | 7 |
Page : | 1008-1011 |
Year/Month : | 1996 / 7 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は16歳, 男性. 胸痛により発症し, 当科にて精査の結果, 左肺分画症と診断し手術を施行した. 術中所見では胸壁腫瘍と診断, 腫瘍摘出術を行い, 術後病理検査で胸壁原発過誤腫の診断を得た. 術後40日目頃から, 左血胸による呼吸困難が出現し, 胸腔ドレナージを施行するも血胸が遷延したため, 術後72日目に再開胸となった. その際, 第2, 3肋骨に強く癒着する遺残腫瘍を認め, これが血胸の原因と考えられたため, 第2, 3肋骨を含めた腫瘍摘出術を行った. 胸壁原発過誤腫は, 小児に発症するまれな疾患であり, 良性疾患ではあるが, 肋骨浸潤例や術後の遺残再発例もみられることから, 摘出術には十分注意することが必要であると思われた. 胸壁原発の過誤腫はまれな疾患で, 報告例のすべては小児例である. 今回われわれは青年期の発症例で, 摘出術後の腫瘍の遺残に対して再手術を要した1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 胸壁腫瘍, 過誤腫, Hamartoma, 遺残腫瘍, 血胸 |