Abstract : |
2cm以下の小型末梢性肺腫瘤25例に対する胸腔鏡下生検の問題点とエンドフィンガー並びにカラーコラーゲンによるマーキングの有用性を検討した. 対象は男性13例, 女性12例, 年齢は43~82歳(平均59歳)であった. 画像上の腫瘤径は0.4~2.0cm(平均1.3cm), CT計測による胸膜からの深さは0~3.8cm(平均1.1cm)であった. 術中の腫瘤確認方法として視診のみ4例, 触診13例(すべて小開胸追加), エンドフィンガーによる触診2例, エンドフィンガー及びカラーコラーゲンによるCTガイド下マーキングを行ったもの6例であった. 小型になるほど, また胸膜から離れるほどにその局在診断が困難となり, 小開胸を追加する傾向にあった. しかし最近の症例はエンドフィンガー及びカラーコラーゲンによるマーキングにより局在確認が容易となり, 開胸移行例は減少した. 組織型の内訳は肺癌9例(うち転移性2例), 炎症性腫瘤8例, 結核性肉芽腫6例, 過誤腫1例, 肺内リンパ節1例であった. 肺癌症例は転移性を除く7例すべてp-T1N0M0で, いわゆる肺野型早期肺癌とみなされた. 術後合併症は全例認められず, 大部分の症例は2週間以内に退院した. エンドフィンガー及びカラーコラーゲンによるマーキングは腫瘤の局在確認に有用であり, これらの導入により胸腔鏡下生検は悪性腫瘍の早期診断と治療に更に寄与できると考えられた. |