Title : |
再灌流時に施行する急速冷却刺激(Rapid Cooling Shock)の心筋保護効果について |
Subtitle : |
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Authors : |
安藤進, 井上恒一, 花房雄治, 小沢敦, 関口茂明, 山田眞, 高場利博 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
昭和大学医学部第1外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
44 |
Number : |
8 |
Page : |
1098-1107 |
Year/Month : |
1996 / 8 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
冠循環が維持された心臓においてのhypothermiaは心筋に陽性変力作用を与える. われわれは冷却刺激による陽性変力作用を確認し, これをmyocardial stunningの発生抑制と早期回復に役立てることを目的として, 再灌流早期に急速冷却刺激(Rapid Cooling Shock:以下RCS)を施行し心機能回復と細胞内カルシウム動態について検討した. Langendorff冠灌流ラット摘出心に3分間RCSを与えたところ, 32±4秒後に左室最大収縮期圧(LV Developed Pressure:以下LVDP)が対照の120±10%(平均±標準誤差, n=12)となる陽性変力作用を確認した. 次にラット心の心筋温を37℃, 25℃, 10℃で30分間虚血とした後の再灌流開始1分後, 2分後, 3分後にRCS施行時間を1分間, 2分間, 3分間と変化させた9実験群で検討した. この結果虚血中の心筋温25℃再灌流3分後に3分間のRCS施行群でLVDPの良好な回復を早期から認めた. この群における再灌流時の心筋細胞内Ca濃度は極端な増減を示さず虚血前値の100±3%であった. free radicalと共にmyocardial stunning発生の重要因子である再灌流時細胞内Ca過負荷や, 逆に細胞内Ca減少による筋小胞体CICR channelの抑制が収縮に必要なCa放出を障害するにまで至らなかったことがstunningからの早期収縮機能回復に有効であったと考えられた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
急速冷却刺激, myocardial stunning, 細胞内カルシウム, Hypothermia |