アブストラクト(44巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 急性A型大動脈解離における画像診断の役割と脳保護手段の選択
Subtitle :
Authors : 末田泰二郎, 四方裕夫, 渡橋和政, 森田悟, 岡田健志, 季白雅文, 三井法真, 松浦雄一郎
Authors(kana) :
Organization : 広島大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 8
Page : 1130-1135
Year/Month : 1996 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 急性A型大動脈解離における術前, 術中画像診断の有用性, 及び脳保護手段の選択について検討した. (1)急性A型大動脈解離22例中急性期に血管造影を行ったのは5例(23%)のみであった. 手術決定の目安となる上行大動脈の解離の有無の診断はCT, 経胸壁心エコーで100%可能であった. 経胸壁心エコーによるエントリー診断率は14例(64%)と低かった. 経食道心エコー+術中心エコーを施行した9例では, エントリーの確認は全例可能であった. 脳保護手段選択の目安となる弓部解離の有無は術中エコー, CTが有用であった. 冠状動脈解離を3例に認めたが, 術中心エコーが診断に有用であった. (2)画像診断で決定した大動脈置換範囲により, 脳保護手段として脳分離体外循環法(上行+弓部置換)を12例, 逆行性脳灌流法(上行のみ, 又は一部弓部置換)を10例に行った. 脳循環時間は前者が72分に対し, 後者は48分であった. 手術成績は前者は破裂例及び術中心筋梗塞例の2例を失い(17%), 後者は腎, 脳障害の1例(10%)を失なったが, 両群間に差はなかった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 急性A型大動脈解離, 経食道心エコー, 術中エコー, 脳分離体外循環, 逆行性脳灌流
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