アブストラクト(44巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左内胸動脈グラフトのみによる小児冠状動脈バイパス術の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 内田直里, 川上恭司
Authors(kana) :
Organization : 広島総合病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 8
Page : 1136-1140
Year/Month : 1996 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 13歳, 女児. 左内胸動脈グラフトによる2枝冠状動脈バイパス術を施行した. 症例は, 検診で心電図異常(V4, V5のST低下)を指摘され, 冠状動脈造影検査で, 左前下行枝近位部の完全閉塞と左側壁枝の90%狭窄の2枝病変と診断され, 手術目的で紹介された. 手術は左内胸動脈グラフトを使用して, 左前下行枝と左側壁枝にsequentialバイパス術を施行した. 左前下行枝を病理組織として検索したが, 内膜の軽度肥厚と慢性炎症細胞浸潤を認めたのみで, 原因疾患の同定はできなかった. 術後経過は順調であった. 術後の再造影検査で左前下行枝と左側壁枝にsequentialバイパスされた左内胸動脈は良好に開存し流量も十分であった. 退院前の心電図も改善し, 術後19日目に退院した. 小児虚血性心疾患に対して, 左内胸動脈グラフト1本による2領域のバイパス術が有用であった. 近年, 冠状動脈バイパス術(CABG)に, 内胸動脈(ITA)などの動脈グラフトが多用され良好な成績を得ている1)2).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠状動脈バイパス術, 小児虚血性心疾患, 動脈グラフト, sequentialバイパス術
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