アブストラクト(44巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 嚥下困難を主訴とする右鎖骨下動脈起始異常を伴った遠位弓部大動脈瘤の1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 脇山英丘, 岡田昌義, 安宅啓二, 杉本貴樹
Authors(kana) :
Organization : 神戸大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 8
Page : 1155-1158
Year/Month : 1996 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 右鎖骨下動脈起始異常を伴った遠位弓部真性瘤の1手術例を経験した. 症例は68歳, 女性. 主訴は嚥下困難, 嗄声. CTにて遠位弓部動脈瘤と診断, 動脈造影で右鎖骨下動脈起始異常の合併が確認された. 食道造影では右鎖骨下動脈起始部の瘤による圧迫を認め嚥下困難の原因と考えられた. 手術は左開胸下に循環停止, 逆行性脳灌流法のもとで遠位弓部人工血管置換術を施行した. 右鎖骨下動脈については瘤を切除し食道圧迫を解除した後, 血行再建術を行った. 術後, 嚥下困難は消失し人工血管はいずれも良好に開存していた. 本邦における両者の合併例に対する手術報告例はまだ2例しかなく, かかる症例に対するアプローチ方法, 補助手段につき考察を加え報告する. 右鎖骨下動脈起始異常が存在し, その起始部の動脈瘤による圧迫が原因と考えられる嚥下困難を主訴とする遠位弓部大動脈瘤に対し, 右鎖骨下動脈再建を含む遠位弓部置換術を経験した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 右鎖骨下動脈起始異常, 遠位弓部大動脈瘤, 嚥下困難, Kommerell大動脈憩室, 逆行性脳灌流法
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