アブストラクト（44巻8号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 特発性血小板減少性紫斑病合併例に対する大動脈基部及び上行弓部大動脈全置換術の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 柳谷晶仁, 数井暉久*, 田中久史 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 日鋼記念病院心臓血管外科, *札幌医科大学第2外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 44 |
| Number ： | 8 |
| Page ： | 1168-1171 |
| Year/Month ： | 1996 / 8 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 特発性血小板減少性紫斑病（ITP）を伴う開心術は本邦で現在まで15例報告されているが, 周術期に大量出血が危惧される胸部大動脈瘤に対する拡大再建術の報告はまだない. 今回われわれは, ITPにより約7年間プレドニゾロン10mg／日服用していた68歳男性の二尖弁大動脈弁狭窄症兼上行弓部大動脈瘤に対し, Carrel patch法による大動脈基部置換と選択的脳灌流法による弓部大動脈全置換を一期的に施行し, 良好な結果を得た. 術中及び術直後の正常血小板数の維持が重要と考え, 術中アプロチニン投与, 術中術後の濃厚血小板血漿投与とプレドニゾロンの早期再開により対処し, 術前ITPに対するγ-グロブリン大量療法は行わなかった. 術中血小板は1.8万まで低下したが, 術後出血に難渋することはなかった. 「症例」症例：68歳, 男性. 主訴：狭心痛, 易疲労感. 既往歴：1988年5月鼻出血, 歯肉出血を頻回に認め, 某院受診し, 精査の結果ITPと診断された. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | ITP, 二尖弁大動脈弁狭窄, 上行弓部大動脈瘤, 大動脈基部兼弓部置換, 開心術 |
