アブストラクト(44巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 高度の左室流出路狭窄を合併した新生児期大動脈縮窄複合に対する二期的根治手術による1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 鈴木孝明, 福田豊紀, 後藤哲哉, 井上仁人, 秋顕
Authors(kana) :
Organization : 東京都立清瀬小児病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 8
Page : 1179-1184
Year/Month : 1996 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 高度の左室流出路狭窄(LVOTO)と心室中隔欠損(VSD)を合併した新生児期大動脈縮窄症に対し, 新しい姑息手術を含む二期的根治手術を行い, 良好な結果を得たので報告する. 第一期手術は肺動脈絞扼(PAB)とPAB後の両心室負荷による血行動態の悪化を防ぐ目的で, 大動脈弓の再建に加えて主肺動脈から下行大動脈へのバイパスグラフトを造設した. 術後にLVOTOの進行を認めず, バイパス内の血流を認めた. 第二期手術では, VSD経由で後方に偏位した漏斗部中隔を一部切除してLVOTOを解除後, VSDをパッチ閉鎖した. バイパスグラフトは閉鎖切断した. 高度のLVOTOを合併する症例に対し二期的根治手術を選択する必要がある場合に, 今回われわれが行った方法は, 従来からの二期的根治手術の問題点を解決できる有用な方法と考えられた. 新生児期及び乳児期早期の心室中隔欠損(VSD)を合併した大動脈縮窄症(CoA)の手術成績は向上がみられているが, 左室流出路狭窄(LVOTO)合併例の成績はいまだ不良で, 且つその治療方針は確立されていない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈縮窄複合, 左室流出路狭窄, 二期的根治手術, バイパスグラフト
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