アブストラクト(44巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 両側内胸動脈と両側下腹壁動脈を用いた冠状動脈バイパス術後に前胸壁上腹壁壊死及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)縦隔洞炎を来した1症例
Subtitle : 症例
Authors : 内田直里, 川上恭司
Authors(kana) :
Organization : 広島総合病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 9
Page : 1763-1766
Year/Month : 1996 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は, 72歳, 男性胃切除術を既往にもち, 冠状動脈多枝病変に対して, 両側内胸動脈と両側下腹壁動脈を用いて, 冠状動脈バイパス術を施行した. 術後, 前胸壁の壊死とメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)縦隔洞炎, また初回送血部分の大動脈破裂を生じた. 2度のドレナージ術と止血術, また長期にわたるバンコマイシン洗浄を施行し軽快した. 両側内胸動脈と両側下腹壁動脈を同時に使用してはならない. (日本胸部外科学会雑誌1996;44:1763-1766) 近年, 動脈グラフト(AG)の開存性が良好なことから, 多枝にわたる冠状動脈病変に対して, AGのみによる冠状動脈バイパス術(CABG)術が施行され良好な成績を得てきている1)2). 今回, われわれは冠状動脈多枝病変に対して, 両側内胸動脈(ITA)と両側下腹壁動脈(IEA)の4本のAGによる5枝のCABGを施行し, 術後前胸壁の壊死と縦隔洞炎を生じ, 治療に難渋した症例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠状動脈バイパス術, 内胸動脈, 下腹壁動脈, 胸壁壊死, 縦隔洞炎
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