アブストラクト(44巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 外傷性乳頭筋断裂による三尖弁及び僧帽弁閉鎖不全症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 山西秀樹, 渡辺直, 林和秀, 南勝晴
Authors(kana) :
Organization : 北光循環器病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 9
Page : 1792-1795
Year/Month : 1996 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 5mの高所から落下して受けた鈍的胸部挫傷により, 外傷性乳頭筋断裂を生じ, 高度の三尖弁及び僧帽弁閉鎖不全症を発症した58歳男性に対し, 緊急に両弁置換術を施行し, 救命し得た. 術中の所見として, 左室心尖部は血腫により膨隆しており, また上行大動脈に外膜下血腫を認めた. 僧帽弁を観察すると前乳頭筋が断裂しており, 断端が前尖前交連寄りの腱索と共に完全に遊離している状態で乳頭筋を支える心尖部寄りの心室筋も挫滅, 血腫形成が著明であった. また三尖弁を観察すると三尖弁前尖中央の腱索が付着している乳頭筋が断裂していた. 両弁とも再建は困難であると判断し, 両弁置換術を施行した. 術後経過は良好であった. 本症例のごとく外傷性乳頭筋断裂に起因した三尖弁及び僧帽弁閉鎖不全症を同時に発症し, 且つ救命し得た症例は, われわれの調べ得た範囲では本邦において自験例が初めてであり, 若干の文献的考察を加えて報告する. (日本胸部外科学会雑誌1996;44:1792-1795)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 外傷性弁膜症, 僧帽弁閉鎖不全症, 三尖弁閉鎖不全症, 乳頭筋断裂, 弁置換術
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