アブストラクト（44巻9号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 腎細胞癌遠隔転移に対して胸膜肺全剔を施行した1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 中村隆之, 関根隆, 小鯖覚 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 松江赤十字病院呼吸器科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 44 |
| Number ： | 9 |
| Page ： | 1800-1804 |
| Year/Month ： | 1996 / 9 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は50歳, 男性. 呼吸困難の訴えから精査を行い, 大量の左胸水, びまん性の胸膜肥厚と多発性の腫瘤形成を認めた. 胸腔鏡下胸膜生検で腺癌または悪性中皮腫と診断され, 更に腹部CTで左腎に直径5cmの腫瘍を認めたことから, 腎細胞癌の胸膜転移もしくはびまん性悪性胸膜中皮腫の転移と診断した. いずれの場合も内科的治療の有効性が低く, 患者の耐術能が十分であることから, 一期的左胸膜肺全摘除, 左腎摘除術を施行した. 病理組織診は, 腎細胞癌であった. 転移巣はほとんどが胸膜転移であり, 一部に微小な肺内転移を認めた. 本症例のような転移様式を来す腎細胞癌は極めてまれであり, 切除例の報告は検索しえなかった. （日本胸部外科学会雑誌1996；44：1800－1804）腎細胞癌は, 原発巣の症状が現れにくく1), 転移巣の症状から発見されることも多い2). 腎細胞癌の胸郭内転移は血行性肺内転移とそれに伴う2次的な胸膜転移が多く3), 胸膜転移を主とすることはまれである. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 腎細胞癌, 胸膜転移, 切除例 |
