| Title ： |
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を合併した弁膜症の1治験例－弁置換術と同時に施行した摘脾の有用性について－ |
| Subtitle ： |
症例 |
| Authors ： |
山田卓史, 高木正剛, 宮川尚孝, 柴田隆一郎, 橋谷田博, 釘宮敏定 |
| Authors（kana） ： |
|
| Organization ： |
長崎大学医学部心臓血管外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
44 |
| Number ： |
9 |
| Page ： |
1809-1813 |
| Year/Month ： |
1996 / 9 |
| Article ： |
報告 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
特発性血小板減少性紫斑病（ITP）を合併した開心術の報告は少なく, その治療にはステロイド療法, γ-グロブリン大量療法などが用いられている. 症例は57歳, 女性. 僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症及び大動脈弁閉鎖不全症の診断で手術予定となったが, 血小板数の減少（3～6×104/μl）を認め, 精査の結果ITPの診断を得た. そこで術前ステロイド療法（プレドニン60mg/day）とγ-グロブリン大量療法（300mg～400mg/kg/day）にて血小板数を10×104/μlにまで増加させておいて, 同時期に摘脾と僧帽弁置換術（MVR）を施行した. 術中特に止血に困難を認めず, 血小板輸血は必要としなかった. 術後も出血傾向は認めず, 血小板数も20×104/μlで経過している. ITPを合併する弁膜症に対して弁置換術と一期的に摘脾術を施行することは術中, 術後の出血コントロールに有効であると思われた. （日本胸部外科学会雑誌1996；44：1809－1813） |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
ITP, MVR, 摘脾術, ステロイド療法, γ-グロブリン大量療法 |
