アブストラクト(44巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 感染性心内膜炎に起因した僧帽弁逆流に対する僧帽弁形成術の検討
Subtitle :
Authors : 水野友裕, 天野純, 坂本徹, 鈴木章夫, 砂盛誠, 田中啓之, 荒井裕国, 白井俊純, 渡辺正純, 菅野隆彦
Authors(kana) :
Organization : 東京医科歯科大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 10
Page : 1840-1846
Year/Month : 1996 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1992年6月から1年5カ月間に感染性心内膜炎(IE)に起因した僧帽弁逆流(MR)5例に対して僧帽弁形成術を施行し良好な成績を得たので, その手術時期, 手術適応, 術式に関し検討した. 年齢は51歳から64歳(平均56.8歳)で, 全例男性であった. 抗生剤静脈内投与の継続により血液培養及び血清CRPが陰性化した後に手術を行った. 5例とも感染巣が僧帽弁尖に限局していた. 手術術式は, 感染巣を中心に弁尖接合部を底辺として僧帽弁輪を頂点に楔状に切除し, 切除端を縫合修復した. その後, 逆流試験による所見に応じ交連部にTeflon(R)テープを用いた弁輪縫縮術を追加した. 全例, 術後心機能は著明に改善し, 1年10カ月から3年2カ月の経過観察で弁不全や再感染の徴候は見られず, 社会復帰している. 病変が弁尖や腱索などの小範囲に限局し, 更に感染徴候がコントロールできた僧帽弁位IE症例に対しては, 弁形成術により良好な成績を得られる可能性が極めて高く, 術前より弁形成術を積極的に計画しうると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 感染性心内膜炎, 僧帽弁逆流, 僧帽弁形成術
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