アブストラクト(44巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 縦隔内胸管嚢腫の1手術例
Subtitle :
Authors : 西崎和彦, 大野喜代志, 畑中信良, 山本重孝, 桑田圭司, 小林晏*
Authors(kana) :
Organization : 大阪厚生年金病院外科, *大阪厚生年金病院病理検査科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 10
Page : 1871-1876
Year/Month : 1996 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は55歳, 男性. 検診にて胸部X線写真上縦隔の拡大を指摘され近医を受診し, 縦隔腫瘍と診断され当科紹介となった. 胸部CTにて腫瘤は後縦隔に位置し食道, 椎体, 下行大動脈及び左下肺静脈に囲まれ, 食道造影では食道を右前方へ圧迫していた. また食道超音波内視鏡検査では嚢胞状であり, 食道嚢腫もしくは胸管嚢腫の診断にて1995年12月12日手術を施行した. 嚢腫は2×3×6cm大で, 左下肺静脈, 椎体及び食道との剥離は容易であったが下行大動脈とは強く癒着していた. 穿刺吸引すると嚢胞液は赤白色の乳糜であり胸管嚢腫と診断した. そこで更に剥離をすすめ, 上下の胸管を同定して二重にクリップを掛け摘出した. 術後経過は良好で12日目に退院した. われわれが調べ得た範囲では, 縦隔内胸管嚢腫の手術例は内外25例しか報告例がないまれな疾患であり, 自験例を含む26例につき文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 縦隔腫瘍, 胸管嚢腫
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