アブストラクト(44巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈穿孔により仮性大動脈瘤を来した高安動脈炎の1例
Subtitle :
Authors : 蜂谷貴, 金子寛, 三岡博, 深澤貴子, 馬場正三
Authors(kana) :
Organization : 浜松医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 10
Page : 1921-1924
Year/Month : 1996 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は47歳, 男性. 主訴は喀血. 1995年6月20日ごろから感冒症状を呈していたが, 7月1日突然喀血し搬入された. 胸部X線写真で胸水貯留と縦隔陰影の拡大を認め, CTでは大動脈の石灰化と下行大動脈前面に径8cmの仮性動脈瘤がみられた. 部分体外循環下に開胸すると, 胸腔内は血性胸水と血腫で充満し, 左肺下葉は下行大動脈に癒着していた. 大動脈を縦切開すると後壁に直径7mmの穿孔部があり仮性動脈瘤の原因と考えられた. この部を含めWoven Dacron人工血管で置換した. 病理学的に高安動脈炎と診断され, 穿孔部の変化は慢性的なものとされた. 本症の30%程度に拡張性病変がみられるが, 仮性動脈瘤の報告は数例にみられるのみである. 自験例はプレドニゾロン減量後に仮性動脈瘤の発生をみたことから, 減量と穿孔の関係が示唆された. 今後は吻合部動脈瘤の発生に留意し経過観察するつもりである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 高安動脈炎, 大動脈穿孔, 仮性大動脈瘤
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