アブストラクト(44巻10号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 逆行性送血による術中急性大動脈解離の1治験例 |
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Authors : | 齊藤力, 布施勝生, 加藤盛人, 三澤吉雄 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 自治医科大学胸部外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 44 |
Number : | 10 |
Page : | 1953-1957 |
Year/Month : | 1996 / 10 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は66歳, 男性. annuloaortic ectasiaに対する大動脈基部再建術中に大腿動脈送血による逆行性解離を発症した. 解離は上行大動脈まで進展し右冠状動脈口付近で破裂, 出血した. 発見が遅れたため上行大動脈は全周性に解離したが, 急遽対側大腿動脈からの逆行性送血で体外循環を確立, 大動脈基部再建術を施行し得た. 体外循環中の大腿動脈送血による術中急性大動脈解離は重篤な合併症として知られており, 多くは上行あるいは弓部大動脈送血により回避される. しかし現在でも上行大動脈に病変を有する症例では, 大腿動脈からの逆行性送血が選択されることがある. 逆行性送血による急性解離は送血側の腸骨大腿動脈領域の損傷に由来することが多く, 上行大動脈送血不能の事態には, 迅速な救命手段として対側大腿動脈送血を試みる価値は高いと考えられた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 逆行性解離, 術中大動脈解離, 嚢胞性中膜壊死, 大動脈弁逆流, annuloaortic ectasia |