アブストラクト(44巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 直視下血栓除去術により著明な改善をみた急性肺血栓塞栓症の1例
Subtitle :
Authors : 宇野吉雅, 堀越茂樹, 江本秀斗, 小柳勝司
Authors(kana) :
Organization : 東京慈恵会医科大学柏病院心臓外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 10
Page : 1958-1961
Year/Month : 1996 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 血栓溶解療法にて効果の得られなかった急性肺血栓塞栓症症例に対して, 体外循環下に直視下血栓除去術を行い著明な改善を認めたので, 若干の考察を含めて報告する. 症例は35歳, 女性. けがのため臥床中, 下肢の静脈塞栓症状に続き, 呼吸苦などの肺塞栓症状が出現. 内科入院後, 保存的治療を開始するも症状は改善せず, 徐々に循環動態の悪化がみられ, Greenfieldらの分類IV度に相当する状態となり, 外科的治療の適応と判断し手術を行った. 軽度低体温外循環下に肺動脈を切開し, 直視下に18gの血栓を除去. 術後は, 臨床症状・検査所見の著明な改善が得られた. 現在, 急性肺血栓塞栓症に対する重症度分数や手術適応の基準には, 幾つかの報告がみられるがいまだ一致した見解をみていない. しかし, いずれの報告も述べているごとく, 血栓溶解療法によって血行動態の改善の得られない急性肺血栓塞栓症症例に対しては, 積極的に外科的治療を行うべきと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 急性肺血栓塞栓症, 直視下肺血栓除去術, Greenfield分類
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