アブストラクト(44巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 小児再開心術におけるアプロチニンによる同種血輸血節減効果の検討
Subtitle :
Authors : 大内浩*, 岡部英男, 長田信洋, 金子幸裕
Authors(kana) :
Organization : 神奈川県立こども医療センター胸部外科, *埼玉医科大学第一外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 11
Page : 1980-1985
Year/Month : 1996 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 小児再開心術におけるセルセーバー及び人工心肺中アプロチニン投与による同種血輸血節減効果について検討した. 過去3年間に施行した小児再開心術36例を以下の3群に分類した. I群:対照(10例), II群:術中セルセーバ使用(12例), III群:II群に加え人工心肺充填液にアプロチニンを3万KIU/kgを投与し人工心肺1時間毎に1万KIU/kg追加(14例). 術中出血量及び同種血輸血量はIII群で有意(p<0.01)に減少した. 術中同種血輸血回避率はIII群で有意(p<0.05)に高かった. 人工心肺時間は各群に有意差を認めなかったが手術時間はIII群で有意に短縮した. 術後12時間及び48時間出血量はIII群で少ない傾向であったが有意差は認めなかった. 術後48時間同種血輸血量はIII群で少なくI群(p<0.001)及びII群(p<0.05)とに有意差を認めた. 術後同種血輸血回避率はIII群で有意(p<0.05)に高かった. 小児再開心術においてセルセーバー単独では体重あたりの術中出血, 同種血輸血量及び手術時間は減少せず同種血輸血回避率は増加せずアプロチニン投与併用によりこれらは有意に改善した. アプロチニン使用群では術後出血量及び同種血輸血量も有意に少なく術後同種血輸血回避率は有意に増加した. 小児再開心術においてアプロチニンは積極的に使用して良いものと思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 小児再開心術, セルセーバー, アプロチニン, 同種血輸血節減
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