アブストラクト(44巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 気管支腔内を樹枝状に発育した直腸癌肺転移の1切除例
Subtitle :
Authors : 田中優一, 矢野篤次郎, 福山康朗, 横山秀樹, 勝田弥三郎*, 一瀬幸人
Authors(kana) :
Organization : 国立病院九州がんセンター呼吸器部, *国立病院九州がんセンター臨床病理部
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 11
Page : 2100-2103
Year/Month : 1996 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 気管支腔内を樹枝状に発育した転移性肺癌の1例を経験した. 症例は75歳, 男性. 直腸癌の孤立性肺転移巣切除3年後に, 胸部単純写真にて転移性肺癌再発を疑われ, 精査目的にて入院となった. CTにて左肺底区域S8, S9根部に径2cm大の腫瘤影を認めた. 気管支鏡検査にて左B8 biiにpolypoid状に進展する腫瘤を認め, 擦過細胞診にて直腸癌の肺転移と診断された. 他の転移巣を認めなかったので手術を行ったが, 腫瘍は左底幹のB8とB9の分岐部に触知されたため, 左底区切除術を選択した. 摘出標本にてB8及びB9の気管支腔内に浸潤した腫瘍は, 更にB9内腔を末梢へ樹枝状に進展していた. 転移性肺腫瘍の気管支腔内増殖は気管支鏡の普及に伴い珍しいものではなくなったが, 本症例は, 区域気管支内を中枢から末梢へ連続的に進展した希少な例で, 切除範囲決定に際し, 断端再発を防ぐ意味でも貴重な症例と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 転移性肺癌, 直腸癌, 気管支腔内増殖, 手術療法
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