アブストラクト(44巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 異なった発育形式を示したSolitary fibrous tumorの2手術例
Subtitle :
Authors : 増田亮, 田中勲, 井上雅晴, 古畑善章, 武村民子*
Authors(kana) :
Organization : 日本赤十字社医療センター胸部外科, *日本赤十字社医療センター病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 12
Page : 2177-2182
Year/Month : 1996 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 発育形式の異なった2例のSolitary fibrous tumorを経験したので報告した. 症例1:46歳, 男性. 腫瘍は舌区から有茎性に突出した充実性腫瘍で, 表面は胸膜で覆われていた. 症例2:68歳, 女性. 腫瘍は大きさ2cm, 明らかに肺内に存在した. 2例とも病理組織学的には異型性の乏しい紡錘形の繊維芽細胞がコラーゲン織維の錯走するなかに均一に分布している. 一層の内皮で覆われた類洞様の腔が認められた. 免疫組織学的染色検査の結果, vimentin, CD34で強陽性, keratin, cytokeratin, EMA等は陰性であった. 以上から1例は肺外に有茎性に突出, 1例は肺内に発育したSolitary fibrous tumorと診断された. 本疾患は組織発生学的にみて中皮細胞下の間葉系組織由来とする意見が多く, びまん性中皮腫とは性格を異にする疾患概念と推測された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Solitary fibrous tumor, 中皮腫, Vimentin, CD34
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