アブストラクト(44巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : バルサルバ洞動脈瘤による高度の右室流出路狭窄を合併した成人漏斗部心室中隔欠損症の1治験例
Subtitle :
Authors : 春藤啓介, 北村信夫, 木村俊一, 野地智, 三木太一, 山口明満
Authors(kana) :
Organization : 国立大阪病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 12
Page : 2183-2186
Year/Month : 1996 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : バルサルバ洞動脈瘤(ASV)による高度の右室流出路狭窄(RVOTO)を合併した漏斗部心室中隔欠損症(VSD)に対し, 根治術を施行し良好な結果を得たので報告する. 症例は46歳, 女性. 幼少時より心雑音を指摘され成人以後は労作時に息切れが出現するも放置. 39歳時には細菌性心内膜炎に罹患した際にVSDを指摘され経過観察中, 心不全症状増悪し, VSD, ASVによるRVOTO, 大動脈弁閉鎖不全(AR)の診断で当院に転院し根治術を施行した. 手術は経肺動脈アプローチでASVを切除の後, 直接縫合閉鎖し, VSDはパッチ閉鎖した. 大動脈弁逸脱は放置した. 術後RVOTOは改善し, ARは消失した. 本症例はASVが高度であるにもかかわらず大動脈弁の逸脱が軽度のまま成人まで経過したため, 弁置換術を必要としなかった比較的まれな症例と考えられた. 心室中隔欠損症(VSD)は欠損孔の位置により分類され, 特に漏斗部VSDはその重大な合併症に大動脈弁逸脱やバルサルバ洞動脈瘤による大動脈弁閉鎖不全(AR)がある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 漏斗部心室中隔欠損, バルサルバ洞動脈瘤, 右室流出路狭窄, 大動脈弁逸脱
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