アブストラクト(44巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肋間動脈を流入動脈とした肺動静脈奇形の1症例
Subtitle :
Authors : 赤羽勉*,**, 黒川良望*, 高橋徹**, 里見進*, 佐々木英忠***
Authors(kana) :
Organization : *東北大学医学部第2外科, **東北大学加齢医学研究所病理, ***東北大学医学部老年内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 12
Page : 2196-2199
Year/Month : 1996 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺における肺動静脈奇形はは比較的まれで, 中でも流入血管が肺動脈系ではなく体幹動脈系からのものの報告例は少ない. 今回われわれは肋間動脈と交通を有す肺動静脈奇形の1例を経験したので報告する. 症例は繰り返す喀血を主訴とし来院した44歳男性で, 動脈造影にて右第3肋間動脈末梢を流入血管とすると思われる異常陰影を, また右気管支動脈に独立した2つの小動脈瘤を認めた. これらに対し外科的摘除を目的として, 胸腔鏡補助下右上葉切除術を施行した. 摘出標本の検索では呼吸細気管支壁に隣接して血管のplexusが存在し, ここからの出血が気管支壁を穿破して気管内に及んだものと推察された. 肺動静脈奇形(Pulmonary Arterio-venous Malformation)はまれな疾患でその病態, 病因, 病理像など不明な点が多い. 今回, われわれは繰り返す喀血にて発症し, 動脈造影により右肋間動脈を流入動脈としたhypervascular lesionの形成を術前診断し得た1症例を経験した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動静脈奇形, 外科的切除, 気管支動脈瘤, 病理像
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