アブストラクト(44巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : サイトメガロウイルス肝炎を合併した心室中隔欠損症の1手術例
Subtitle :
Authors : 竹谷哲, 福蔦教偉, 門場啓司, 今川弘, 田屋昌子*, 松田暉
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *大阪大学医学部小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 12
Page : 2212-2215
Year/Month : 1996 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : サイトメガロウイルス(以下CMV)は, 免疫不全患者において重篤な日和見感染症を起こすウイルスであるが, 最近, 術前に免疫不全のない患者の手術後に肝炎などを起こすことが報告されている. 今回, われわれは難治性のCMV肝炎を合併した心室中隔欠損症(以下VSD)の1例を経験した. VSDによる心不全が遷延するため, CMV陽性の状態でVSD閉鎖術を施行したが, 抗CMV抗体高力価免疫グロブリンとガンシクロビルを使用することにより, 術後のCMV感染の増悪を防止し得たので報告する. サイトメガロウイルス(以下CMV)は一般的に一過性の不顕性感染症を起こすウイルスとして知られているが, 臓器移植後, 自己免疫疾患などの免疫不全の患者に顕性化し重篤な感染症を引き起こすことが報告されている1). 通常, 心臓外科手術では輸血に起因してCMV肝炎を発症するのがほとんどであるが2)~4), 心移植術後5)を除いて重症なCMV感染症を起こすことは少ないと考えられてきた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 開心術, CMV感染, 抗CMV抗体高力価免疫グロブリン, ガンシクロビル, 併用療法
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