アブストラクト(44巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 脳塞栓を併発した外傷性大動脈弁閉鎖不全症の1手術例
Subtitle :
Authors : 高木靖彦, 古川昭一, 松本直晃, 小田達郎, 壷井英敏*, 江里健輔*
Authors(kana) :
Organization : 済生会山口総合病院胸部外科, *山口大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 12
Page : 2225-2230
Year/Month : 1996 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 非穿通性胸部外傷による大動脈弁閉鎖不全症の報告は本邦で12例と, 極めてまれな疾患である. その1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. 59歳, 男性. 作業中前胸部を強打受傷し意識消失. 急性大動脈弁閉鎖不全と診断された. 受傷3日目, 意識障害の精査の結果, 脳梗塞と診断したが内科的治療で心不全の制御ができず, 受傷5日目に手術した. 体外循環下に大動脈を切開, 大動脈弁を検するにRCCとNCCの間, NCCとLCCの間の交連部が大動脈壁より引き裂かれNCCの一部に損傷及び血栓の付着を認めた. また, 大動脈内膜の断裂を認めた. 大動脈壁を修復の後SJM弁にて弁置換を行った. 術後経過は良好である. 非穿通性胸部外傷による大動脈弁閉鎖不全症は本邦で12例と極めてまれな疾患であるが, その多くは交通外傷である. 今回われわれは生コンクリート工場で圧力装置の蓋により受傷した非穿通性胸部外傷による大動脈弁破裂及び大動脈基部損傷の1手術例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 非穿通性外傷, 外傷性大動脈弁閉鎖不全, 脳塞栓
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