Abstract : |
虚血性心破裂15例(左室自由壁亜急性型破裂4例, 心室中隔穿孔10例, 左室自由壁blow-out型破裂兼心室中隔穿孔1例)の手術症例を検討した. 術前にIntra-Aortic Balloon Pumping(IABP), Percutaneous Cardio-Pulmonary Support(PCPS), 用手的心マッサージなどによる循環補助を7例に施行した. また術前に補助循環を施行しなかった8例中1例で術後に循環補助を施行した. これら周術期の補助循環8例中2例が補助循環から離脱したが1例は縦隔炎で病院死した. 他の6例はLow Cardiac Output Sysdrome(LOS)や心不全の回復が得られる以前にV-A bypassに起因した出血, Myo-Nephropathic Metabolic Syndrome(MNMS)などの合併症のため死亡した. 周術期に補助循環を施行しなかった7例中1例は心不全で死亡したが他の6例は軽快退院した. 今日PCPSなど簡便な循環補助システムの開発に伴い, 救命される症例が増加すると考えられるが, その効果には限界があるため, より高い救命率を得るためには心破裂のリスクファクターを有する症例での心破裂予防処置の検討あるいは心破裂の早期診断, 早期手術, 循環補助を含めた診療体制の整備確立が望まれる. |