アブストラクト(45巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 慢性肺血栓塞栓症に対する血栓内膜摘除術の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 平井雅也, 牧葆雄, 安田敬志, 近藤正文, 篠原孝*
Authors(kana) :
Organization : 名城病院胸部心臓血管外科, *名城病院循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 2
Page : 149-154
Year/Month : 1997 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 63歳, 男性. 労作時の呼吸困難にて入院. 心エコーで右心負荷が認められ, 肺血流シンチグラフ, 肺動脈造影にて慢性肺血栓塞栓症と診断した. 肺動脈圧は, 84/14(36)mmHgであった, 抗凝固療法で改善しないため, 血栓内膜摘除術を行った. 手術は胸骨正中切開で完全体外循環とし, 超低体温循環停止下に左右の主肺動脈から末梢につらなる器質化した血栓を内膜とともに摘除した. 術後は再灌流障害によると思われる肺水腫が出現したが, 第3病日には人工呼吸器より離脱した. 術後肺動脈造影では右下葉枝は依然閉塞しているものの, 肺動脈圧は27/12(18)mmHgと著明に低下した. 本法は, 両側の肺動脈に対して同時に手術が可能で, 更に循環停止のため無血視野が得られ, 有用な方法であった. しかし, 末梢肺動脈の内膜剥離時には, 血栓を断裂しないように牽引しながら剥離を進めるなど, やや熟練を要すると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 慢性肺血栓塞栓症, 血栓内膜摘除術, 肺高血圧, 右心不全, 肺水腫
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