アブストラクト（45巻2号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 手術中に診断された後縦隔原発無症候性褐色細胞腫の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 矢島浩, 坂口浩三, 友安浩, 谷村繁雄, 伴場次郎, 正木幹雄 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 虎の門病院呼吸器外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 45 |
| Number ： | 2 |
| Page ： | 155-160 |
| Year/Month ： | 1997 / 2 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は20歳, 男性. 自覚症状なく会社検診で右後縦隔腫瘍を指摘され当科入院となった. 精査の結果, 神経原性腫瘍が疑われ, 胸腔鏡下腫瘍摘出術を試みたところ, 術中腫瘍摘出操作にて血圧が270mmHgまで急上昇したため, 褐色細胞腫と診断し通常の開胸術に変更して, 腫瘍を摘出した. 病理組織学的に毛細血管が豊富な褐色細胞腫と診断された. 褐色細胞腫の後縦隔原発例はまれであり, 本症例は本邦6例目と考えられ, しかも何ら臨床症状を示さなかったことも特記すべきことであったので若干の文献的考察を加えて報告した. 褐色細胞腫は, カテコラミンを産生する内分泌活性腫瘍で, その約10％は副腎外に発生する1）が, 縦隔に見られるものはまれである. また臨床症状を呈さない褐色細胞腫も10％と言われている2）. 今回われわれは胸腔鏡下手術中に無症候性褐色細胞腫と診断し, 開胸術に変更して腫瘍を摘出した症例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 褐色細胞腫, 後縦隔腫瘍, 無症候性 |
