アブストラクト(45巻2号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 大動脈高度石灰化を伴う慢性透析患者に対する人工心肺非使用冠状動脈バイパス術の1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 水元亨, 平岩卓根, 木下肇彦, 藤井英樹 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 安城更生病院胸部外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 45 |
Number : | 2 |
Page : | 161-164 |
Year/Month : | 1997 / 2 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は70歳, 男性. 糖尿病, 心筋梗塞の既往があり慢性血液透析患者である. 左冠状動脈回旋枝を責任病変とする不安定狭心症にて入院. 大動脈の全周性広範囲石灰化及び低左室機能, 血小板減少症などの合併症により人工心肺が不能なため, 左開胸アプローチにて心拍動下にシャント法を用い disatal perfusionを行いつつ冠状動脈バイパス術(以下CABG)を施行した. 術中出血は少なく, また術中術後の血行動態は安定しており術後1日目から血液透析が可能であった. 本術式は, 今後増加するであろう大動脈広範囲石灰化例に対し有用であるが, 完全血行再建を目指すには制限があり, また必ずしも安全な術式とはいえずより安全にしかも確実に手術を行うためには新たな補助手段の工夫が必要と考えられた. 近年, 冠状動脈バイパス術(CABG)は, 手術手技や心筋保護法の向上により安定した成績が得られるようになってきた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 冠状動脈バイパス術, porcelain aorta, 左開胸, 心拍動下CABG, distal perfusion |