Title : |
上大静脈内心房フラップによる血流転換を行った高位上大静脈還流型部分肺静脈還流異常症の1手術例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
松尾浩三, 末次文祥, 打田俊司, 藤原直, 岡嶋良知*, 青墳裕之* |
Authors(kana) : |
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Organization : |
千葉県こども病院心臓血管外科, *千葉県こども病院循環器科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
45 |
Number : |
2 |
Page : |
165-169 |
Year/Month : |
1997 / 2 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
高位上大静脈還流型部分肺静脈還流異常症の6歳女児に対し, 有茎右房フラップを用いて上大静脈内に隔壁を作成し, 肺静脈血を心房中隔欠損を介して左房へ導く血流転換を行った. 症例は, 体重19kg, 右上肺野の鬱血像を認め, 心臓カテーテル検査より静脈洞型心房中隔欠損及び右肺静脈の上大静脈高位への還流が確認された. 上下大静脈直接脱血による体外循環下に右房壁から幅2cmの帯状の有茎フラップを作成し, 上大静脈内に縫着して最上位還流異常部分から心房中隔欠損孔までのトンネルとした. 残りの心房壁をこのフラップ上に縫合して手術を終了した. 術後の心エコー, MRI検査は肺静脈路, 上大静脈とも十分な内腔が維持されていることを示し, 心電図は正常洞調律であった. この術式では洞結節や洞結節動脈を損傷する危険性はなく, 右房が小さな症例でも異物を用いずに体, 肺静脈路両方の形成が可能であった. 高位上大静脈還流型の部分肺静脈還流異常症(PAPVR)に対する外科治療は肺静脈経路(PV channel) や上大静脈経路(SVC channel)の十分な確保, 上室性不整脈及び遠隔期での狭窄予防が重要な点である. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
部分肺静脈還流異常症, 上大静脈内心房フラップ, 洞結節動脈 |