アブストラクト(45巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 緊急冠状動脈バイパス術により救命した不安定狭心症合併全身性エリテマトーデスの1例
Subtitle : 症例
Authors : 森山由紀則, 久富光一, 玉田修吾, 下川新二, 平明, 宮原健吉*
Authors(kana) :
Organization : 鹿児島大学医学部第2外科, *新杏病院
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 2
Page : 195-197
Year/Month : 1997 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 全身性エリテマトーデス(SLE)のため25年間のステロイド治療と10年間の血液透析を受け冠状動脈に著明な石灰化を来した38歳女性の不安定狭心症例に対し, 緊急冠状動脈バイパス術を行った. 冠状動脈造影では全長に亘り左右とも著明な石灰化を示し, 右冠状動脈はびまん性に拡張して#2にほぼ内腔を占める血栓を疑わせる陰影欠損像を, また, 左冠状動脈は#6及び#11に99%の狭窄を認めた. 大伏在静脈を#3に左内胸動脈を#8に吻合した. 術後1カ月目の冠状動脈造影では, 両グラフトは良好に開存していた. 虚血性心疾患はSLEの重要な晩期合併症であることから, その病因と外科治療上の問題点を報告した. 全身性エリテマトーデス(SLE)治療成績の向上につれ晩期合併症として狭心症や心筋梗塞が注目されている1)2). 今回われわれは慢性腎不全で血液透析中のSLE患者に発生した不安定狭心症に緊急冠状動脈バイパス術を行い救命し得た.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : SLE, 冠状動脈バイパス術, ステロイド治療, 動脈硬化, 血管炎
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