アブストラクト(45巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左肺底動脈下行大動脈起始症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 田畑俊治, 谷田達男, 小野貞文, 薄田勝男*, 岡庭群二*, 藤村重文
Authors(kana) :
Organization : 東北大学加齢医学研究所呼吸器再建分野, *仙台厚生病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 2
Page : 198-202
Year/Month : 1997 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Pryce I型肺分画症に属する左肺底動脈下行大動脈起始症の1例を経験した. 症例は47歳, 女性. 血痰を主訴に当院を受診し, 胸部異常陰影を指摘され入院となった. 胸部造影MRIでは長径12mmの異常血管が下行大動脈より分岐する所見を, 胸部大動脈造影では異常動脈が下行大動脈より分岐し, 左肺底区に流入した後, 肺静脈に還流する所見を得た. 肺動脈造影では左肺動脈のA6分岐以降の発達が悪く, 枯れ枝状であったが, 静脈相では正常な左下肺静脈を認めた. 肺循環動態の測定では左肺動脈圧並びに左肺動脈楔入圧の上昇は認められなかった. 以上より, 左肺底動脈下行大動脈起始症と診断し, 左肺底区域切除, 異常動脈根部結紮術を施行した. 病理所見では血管壁の高度な中膜肥厚を伴った動脈を多数認め, これらは高血圧に伴う変化と考えられた. 肺分画症は, 1777年Huber1)により最初の報告がなされてから種々論じられてきたが, 1946年Pryce2)がはじめてpulmonary sequestrationと命名した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Pryce I型肺分画症, 肺底動脈下行大動脈起始症
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