アブストラクト（45巻2号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 非穿通性胸部外傷による大動脈弁閉鎖不全症の1治験例－本邦報告例の検討－ |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 芦田泰之, 荒木邦夫, 原陽一, 石黒真吾, 黒田弘明, 森透 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 鳥取大学医学部第2外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 45 |
| Number ： | 2 |
| Page ： | 207-212 |
| Year/Month ： | 1997 / 2 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 比較的まれな, 非穿通性胸部外傷に起因する大動脈弁閉鎖不全症を経験したので本邦の報告例とあわせて検討し報告する. 症例は70歳, 男性. 交通事故で前胸部を強打し, 胸骨柄横断骨折を主とした多発外傷を受傷. 全身状態改善の後に, 肺高血圧症を伴う大動脈弁閉鎖不全症の存在が判明した. 進行性の心不全症状を呈したため, 受傷3カ月後に人工弁置換術を施行した. 大動脈弁は無冠尖に裂孔を認め, 病理組織的には感染性心内膜炎の所見はなく, いわゆるハンドル外傷による外傷性大動脈弁閉鎖不全症と診断した. 術後経過は良好であった. 本邦の報告例は過去15例. 障害部位は右冠尖, 無冠尖がほぼ同数であり, 人工弁置換が圧倒的に多く行われていた. 非穿通性胸部外傷による大動脈弁閉鎖不全症（以下AR）は, 比較的まれである. しかし, 重症外傷の救命率の上昇に伴って顕性化し, 外科的治療に持ち込める症例が増加するものと思われる. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 非穿通性胸部外傷, ハンドル外傷, 胸骨柄横断骨折, 大動脈弁閉鎖不全症 |
